1時間で書ける頭の中

その日考えていること

外だけでなく、中も意識すること

自分が所属する研究室では、4年生の卒業研究や3年生の演習授業、院生の修士研究を外部の場所を借りて展示会を例年行なっている。そのための準備を3年生が毎年全部担当して自分たちで企画運営していくわけだが、自分も2年前に経験して大変だったのを覚えている。今、こうして先輩という立場になってみて取り組みをみていると、問題点がわかってくる。

 

この展示会は一研究室の展示会なわけであり、いかに集客するかがまず課題である。そのため、UXの分野では著名な研究室の先生や、その分野に携わっている外部の人をお呼びして講演を行なっている。集客方法としては、先生の知り合いなどにDMを送る、その他にFacebookページを開設しFacebook上での告知などを行なっている。そして、基本的には先生のことを知っていただいている社会人などが当日の展示会に来てくれる来場者の割合を多く占めている。

 

こうした例年の集客方法では、来場者の多くが社会人であり、学生などは来づらいのではないかと考えたことから、今年はTwitterでもアカウントを設立して学生向けに集客しようと試みている。展示会の企画運営は、全員で一つのことを成し遂げるための取り組みで、結果として失敗しようがみんなで成し遂げるために試行錯誤していくことが大事だと自分は考えているから、基本的に口出しするつもりはない。人と何かを成し遂げる作業は、社会に入ってからも同じ案件に取り組むチームであったり、他部署や他社とも協同でのぞんでいく機会があるだろうし、絶対にこの経験は無駄にはならないと思う。

 

展示会の企画運営では、当日のレイアウトや来場者へ渡すレーフレットなど展示会のコンセプトに合わせて様々な準備を行なっていく。こうした一連の取り組みはマーケティングとアウターブランディングと言えるだろう。

 

展示会の企画運営をチーム単位で行っていく経験が大事であり、失敗が必ず悪いわけではないのだが、成功するに越したことはない。ここで、成功とは何かを考えていくと、「当日何人に来てくれたか」ではなく、「当日来てくれた人が満足してもらう」ことである。満足してもらうとは何かについては、わざわざの休日に来てもらった来場者に来て良かったと思ってもらうだけではない。UXについてある程度の理解をしてもらえてる人には、学生のアプローチでこんな考え方や取り組み方があるといった新たな気づきであったり、まだ理解がない人に興味を促したり、卒業研究がなんなのかといった理解など、帰った後にも心の片隅に引っかかる体験になってもらうことが理想的である。

 

どうも、ここ3年間運営する立場、運営を見守る立場となって考えをまとめてみると、みんな企画運営を基本的に頑張っている。しかし、展示会の成功をさせるには、展示会に参加する中の人の協力が不可欠であって、そこが足りていないんだと思う。例えば、準備段階で4年生や院生の研究などを把握していないために、全体を巻き込んだ企画が成立しなくなることである。これは、企画運営を行っていく3年生が4年生や院生とまだ仲が深まっていないために、言いづらい環境が生まれていたりするのが原因なんだと考えられる。そして当日は学生が会場内にいなかったり、私語が目立ったりするといった内輪感を出してしまう残念な展示会の体験につながりかねないことだ。これも、当日までの運営を考えるばかりに、当日の流れがきちんと共有されていなかったり、全体の当事者感が足りていないことが原因と考えられる。要するに、こうした問題にならないためにもインナーブランディングもしっかりと意識していくことが大事なのである。

 

この自分が抱いている問題を、今年の企画運営をしている子達に説明をした方がいいとは思うが、うまく伝えられるだろうか。見守る側の自分としては課題である。。